CineWire Newsはミラーレスカメラ / シネマカメラ / 交換レンズ / ドローン / ジンバルなどの映像制作機材に関する海外レビュー / リーク情報 / 最新ニュースをわかりやすく紹介する専門メディアです

Sony α7R Vと24-70mm GM IIが水没 分解修理で分かったボディとレンズの耐水性能

Sony α7R V

Sony A7R VとSony 24-70mm GM IIという高価な機材が水没に見舞われたものの、驚くべきことに完全に機能が回復したという修理事例が海外メディアで報じられました。デジタルカメラやレンズの防塵防滴性能はユーザーにとって重要な関心事であり、水濡れは最も避けたいトラブルの一つです。

今回の事例は、機材の設計、ユーザーの迅速な行動、そして専門家による適切な処置が一体となって機器を救った好例として紹介されています。

この記事のポイント

  • Sony A7R Vに採用されているシーリング設計の有効性が示された
  • ユーザーが水没直後にバッテリーを抜くという迅速な行動が機器の損傷を防いだ
  • 専門家による清掃、乾燥、メンテナンス作業により機器が完全に復元された
目次

水没からの奇跡的な回復:Sony A7R Vと24-70mm GM IIの修理事例

Sony A7R VカメラとSony 24-70mm GM IIレンズが水没したにもかかわらず、最終的に無事に回復した事例が報告されています。この成功は、いくつかの要因が複合的に作用した結果と結論付けられています。

中国のカメラ修理業者が、水没したSony α7 V(A7M5)とFE 24-70mm F2.8 GM IIの分解・修理を行い、その防塵防滴性能を検証した動画です。

撮影者によると、依頼者は山間の渓流で撮影中に足を滑らせ、カメラごと水中へ転倒しました。しかし、すぐにバッテリーを取り外し、一度も電源を入れずに修理へ持ち込んだため、最悪の事態を避けることができました。修理担当者は、この対応が「最も正しい判断」であり、水没時に電源を入れることがショートや電気化学的腐食を引き起こし、故障を大きく悪化させる原因になると説明しています。

α7 Vの分解結果

まずはカメラ本体を分解すると、外観には液晶ヒンジやボタン周辺に水滴の跡が見られましたが、底面カバーや側面カバーを外した段階では、内部への浸水はごくわずかな水蒸気程度でした。

さらに背面カバーやトップカバーを取り外して確認すると、水は主にボタンやダイヤル周辺の隙間に留まっており、内部基板にはほとんど到達していませんでした。基板は非常にきれいな状態を保っており、CMOSセンサー、防振ユニット、シャッター機構などの重要部品も完全に乾燥した状態だったと報告されています。

結果として、水はカメラ内部の第一防御ラインすら突破できず、ほぼ外装部分だけで食い止められていたことが判明しました。レンズマウント部からの浸水も確認されず、内部への影響は極めて限定的だったとしています。

防塵防滴構造を高評価

修理担当者は以前、α7 Vの発売時に分解動画を公開し、前モデルよりシーリング構造が大幅に強化されていると分析していましたが、今回の実機検証によってその効果を実証できたと述べています。

ソニーはIP等級を公表していないものの、

  • 各外装パネルの接合部にシーリング材を配置
  • ボタン・ダイヤル周辺にも防水構造を採用
  • 液晶モニター周辺にもガスケットを追加
  • ボディ全体を囲うような密閉構造

など、多くの部分で防塵防滴性能が向上していると説明しています。

ただし、この性能は「短時間の水しぶきや落水に耐えるためのもの」であり、防水カメラではないとも強調しています。長時間水中に放置すれば内部へ浸水し、故障は避けられないとしています。

24-70mm GM IIは浸水

一方、同時に水没したFE 24-70mm F2.8 GM IIは、本体よりも多くの水を吸い込んでいました。

分解すると、後部は比較的軽微な浸水でしたが、さらに内部へ進むと前方のズームユニット付近に水滴や水蒸気が確認されました。幸い、防振機構やフォーカスモーターなど深部の重要部品までは浸水しておらず、水は前方のレンズ群で止まっていたため、修理可能と判断されました。

修理では、水分が蒸発した後に残るミネラルや不純物がレンズコーティングを傷める前に、前玉やレンズユニットを慎重に分解・洗浄。接着されたレンズ群は位置精度が非常にシビアなため、慎重に切り離してクリーニングを行い、その後十分に自然乾燥させて再組立てを実施しました。

修理結果

2日間乾燥させた後、レンズを再接着・組み立てし、カメラ本体と合わせて動作確認を実施。その結果、

  • 電源投入正常
  • 撮影正常
  • 各種機能も問題なし

となり、カメラ・レンズともに完全復旧したと報告しています。

修理担当者の結論

今回無事に修理できた理由として、修理担当者は次の3点を挙げています。

  1. ソニー α7 Vの防塵防滴性能が非常に優秀だったこと
    • 強化されたシーリング構造により、水が内部基板まで侵入しなかった。
  2. ユーザーの初動対応が完璧だったこと
    • 落水直後にバッテリーを取り外し、一切電源を入れずに修理へ持ち込んだことで、ショートや腐食による不可逆的な故障を防ぐことができた。
  3. 落水した水が比較的きれいな渓流だったこと
    • 海水や泥水ではなく山の湧き水だったため、不純物や塩分による腐食が少なく、内部へのダメージを最小限に抑えられた。

修理担当者は、通常の水没カメラでは内部基板に緑青(銅の腐食)が広がっていることが多いものの、今回の個体は予想以上に内部がきれいであり、α7 Vの防塵防滴性能の高さに驚かされたと締めくくっています。

編集部コメント

今回のSony A7R Vと24-70mm GM IIの修理成功事例は、現代の高性能カメラシステムの耐久性と、万が一の事態における回復の可能性を示す非常に興味深いものです。Sonyが投入しているシーリング設計の進化が実際に水の浸入を食い止める効果を発揮したことは、同社の製品に対する信頼感を高める一因となるでしょう。

しかし、何よりも注目すべきは、ユーザーの初動対応の適切さです。水没時に電源を入れず、すぐにバッテリーを取り外すという行動は、電子機器を水濡れから守る上で最も重要な原則の一つであり、今回の成功を大きく左右しました。そして、その後の専門家による丁寧なメンテナンスが、機器を完全な状態に戻すための最後のピースとなりました。

この事例は、防塵防滴性能を持つ機材であっても過信は禁物であり、不測の事態に遭遇した際には、迅速かつ正確なユーザー対応と、専門業者への速やかな依頼がいかに重要であるかを改めて教えてくれます。

本記事は海外メディアで公開された情報を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。

参考記事:Emergency Repair for a Water-Damaged Sony A7R V and 24-70mm GM II: Is It Actually Waterproof?

※掲載画像について
掲載画像はイメージです。実際の製品・仕様・デザインとは異なる場合があります。

カメラ基本情報

メーカー
Sony
品番・型番
α7R V
マウント
Eマウント
センサーサイズ
フルサイズ
有効画素数
約6100万画素
ボディ内手ぶれ補正
あり
最高連写速度
最高約10コマ/秒(メカシャッターHi+)
最大動画解像度
8K
LOG撮影
S-Log3/HLG
RAW動画
外部記録対応
防塵防滴
あり
モニター
3.2型・バリアングル
重量
約638g(本体のみ)
サイズ
131.3 × 96.9 × 82.4 mm
バッテリー持続枚数
約530枚
カードスロット
CFexpress Type Aカード×2/SD UHS-I/II×2(デュアルマルチスロット)
外部マイク端子
あり(3.5mm)
ヘッドフォン端子
あり(3.5mm)
HDMI端子
フルサイズ(Type-A)
編集部コメント
6,100万画素という解像度は、絞り込んでも回折の影響が出にくく、高画素機ならではのシャープな描写を余すことなく引き出せるバランスに仕上がっています。後継のα7R VIが積層型センサーと30コマ/秒連写を武器に登場した今、連写性能や高感度耐性では一歩譲る立場になりましたが、風景撮影で主に使われるISO100〜800程度の常用域であれば画質面で不満を感じる場面はほとんどありません。連写よりもディテールと解像感を重視する撮影スタイルであれば、型落ちというより「今なお現役」の選択肢であり続けている一台です。

カメラ・レンズ・ジンバル機材データベース

1,460点のカメラ・レンズ・ジンバルなど映像制作機材のスペックを比較できる機材データベース(スペック比較・検索)もあわせてご覧ください。

機材データベースを見る
  • URLをコピーしました!

BY CINEWIRE NEWS

CineWire News編集部
CineWire Newsは、国内外の映像制作機材(ミラーレスカメラ、シネマカメラ、交換レンズ、ドローン、ジンバルなど)に関する海外レビュー、リーク情報、公式発表を調査・編集し、映像制作の現場視点も交えながら、日本のクリエイターに向けて役立つ最新ニュースをわかりやすく発信する専門メディアです。

目次