
キヤノンがミラーレスカメラ向けの新たな望遠ズームレンズに関する特許を出願したことが明らかになりました。この特許は、焦点距離約75mm〜300mm相当のレンズ設計に焦点を当てていますが、特にその光学設計に採用されている革新的なフォーカス機構に注目が集まっています。
今回注目されているのは、「フローティングフォーカス」と呼ばれる二つの移動群を用いたフォーカス方式です。この技術は、レンズの小型化と高性能化を両立させることを目指しており、RFマウントシステムにおける今後のレンズ開発の方向性を示唆している可能性があります。特許は日本国特許公開 2026-133760 として公開されています。
この記事のポイント
- キヤノンがミラーレスカメラ向けの約75-300mm相当の望遠ズームレンズ特許を出願しました。
- 特許は、2つのレンズ群を動かす「フローティングフォーカス」機構を特徴としています。
- この設計は、小型化、高速オートフォーカス、優れた光学性能の実現を目指しています。
- 近距離での収差補正やフォーカスブリージングの抑制に貢献すると考えられています。
- コンパクトで手頃な価格帯のRFマウント望遠ズームレンズとして市場から期待されています。
キヤノンが新たな望遠ズームレンズの特許を出願
キヤノンがミラーレスカメラ、放送用カメラ、コンパクトカメラ向けの望遠ズームレンズに関する特許を公開しました。この特許は焦点距離約75mmから300mm相当の範囲をカバーする設計で、特にレンズ自体の詳細よりも、そのフォーカス方式に重点を置いています。日本国特許公開 2026-133760 として公開されたものです。
小型化と高性能化を支える「フローティングフォーカス」
最近、類似の特許が多数見られる中で、この特許でも「フローティングフォーカス」と呼ばれる光学設計が採用されています。この方式では、二つのレンズ群が連携して動くことで、高精度なピント合わせを実現します。この仕組みにより、小型化とパフォーマンスの両立が図られています。
特許に示されるレンズ構成
この特許で示されているレンズ構成は以下の特徴を持っています。
- 望遠ズームレンズの小型化に寄与する大きな集光性の前群。
- ズーム中に固定される第1負群。
- フォーカス動作を担う第2および第3負群。これらは近距離にフォーカスする際にセンサー側に連動して移動します。
- その他のレンズ要素は正の屈折力を持つレンズと絞りで構成されます。
特に、二つのフォーカス群が絞りの後方に配置されているため、比較的小型のオートフォーカスモーターでも高速なAF性能を提供できるとされています。キヤノンが常に重視している小型サイズと性能の両立が、この設計からも見て取れます。
2群移動フォーカス機構の利点
二つのレンズ群を同時に動かす方式を採用する主な理由は、近距離撮影時に発生しがちな収差(色フリンジ、周辺部の解像度低下など)を効果的に抑制することにあるとされています。また、フォーカス群がレンズの低倍率部分に配置されているため、フォーカス時の画角変動(フォーカスブリージング)がほとんど発生しないという利点も指摘されています。
この特許の例では、72mmから292mmのズーム範囲(約4.05倍)を持ち、最短撮影距離0.57m、最大撮影倍率0.16倍の性能が示されています。
新しいRF 75-300mmへの期待
キヤノンは、RFマウントレンズにおいて、小型化と光学性能およびオートフォーカス性能の維持・向上に継続して取り組んでいます。今回の「フローティングデザイン」は、将来のコンパクトで手頃な価格帯の望遠ズームレンズに導入される可能性があると見られています。Lレンズのようなハイエンドモデルへの採用については現時点では想定されていません。
もし新しいコンパクトなRF 75-300mm f/4.5-5.6が登場すれば、RFレンズラインアップにとって歓迎される追加となるでしょう。現行のRF 75-300mm f/4-5.6はEF時代の古い設計を流用したものであり、より現代的な光学性能や小型化を実現した製品が市場から求められている状況です。
複数の光学設計例
この特許には、共通の焦点距離(72.11~292.05mm、4.05倍ズーム)とF値(F4.49~5.88)、そして2群フローティングフォーカス機構を持つ、6種類の異なる光学設計例が含まれています。これらの設計は、レンズ群や要素の配置においてそれぞれ特徴を持っていると説明されています。
編集部コメント
今回公開されたキヤノンの特許は、RFマウントシステムにおけるレンズ開発の方向性を明確に示すものと言えるでしょう。特に、小型化と高い光学性能、そして迅速なオートフォーカスを両立させる「フローティングフォーカス」の採用は、今後の製品ラインアップにとって重要な技術となりそうです。この設計により、望遠ズームレンズがより手軽に利用できるようになる可能性を秘めています。
現行のRF 75-300mm f/4-5.6は旧EFレンズの設計を基にしているため、最新のミラーレスカメラの性能を最大限に引き出す、全く新しい設計のレンズが待望されています。今回の特許情報が、そのようなユーザーの期待に応えるコンパクトで高性能な望遠ズームレンズの登場に繋がることを期待します。この技術が将来的にどのようなRFレンズに搭載されるのか、今後のキヤノンの動向に注目が集まります。
本記事は海外メディアで公開された情報を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。
参考記事:Canon Zoom Lens Patent: Dual-Group Focus for Compact RF Lenses
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