コンセプトと位置付け
近年はCanonやPanasonicなど各社から小型・軽量な超望遠ズームが登場していますが、Sony純正ではこのようなコンパクトな望遠ズームの選択肢は多くありませんでした。
ただし、Sony EマウントにはSigmaやTamronなど優秀なサードパーティ製望遠レンズが数多く存在するため、このレンズはそれらと比較して魅力を示す必要があるとしています。
デザイン・操作性
このレンズはG MasterでもGレンズでもない、実用性重視の設計となっています。
重量は約654gと非常に軽量で、400mmまでカバーする望遠ズームとしては携帯性に優れています。
ズームリングは適度なトルク感があり操作しやすい一方、マニュアルフォーカスリングはやや緩く、高級感はあまり感じられないと評価しています。
また、
- 67mmフィルター径
- レンズフード付属
- カスタムボタン
- AF/MF切替スイッチ
- フォーカスリミッター
- OSS(光学手ブレ補正)
など基本的な装備は備えています。
マウント部には簡易的な防塵・防滴用のOリングも装備されており、小雨程度なら安心して使用できそうだと述べています。
オートフォーカス性能
AFにはデュアルリニアモーターを採用しています。
最新G Masterに搭載されるXDリニアモーターではありませんが、レンズ群が小型・軽量なため、実際のAF速度は非常に高速だったと評価しています。
近距離から無限遠まで素早くピントが移動し、AF性能自体には不満はありません。
一方で、暗い開放F値のため、スポーツや野鳥など高速シャッターが必要な撮影ではAFよりも露出面の制約の方が大きいとしています。
フレア耐性
逆光性能もテストしています。
太陽へ向けて撮影してもゴーストやフレアは非常に少なく、コントラスト低下もほとんど見られませんでした。
Sonyらしくコーティング性能は優秀で、この価格帯としては非常に良好な結果だと評価しています。
開放F値の変化
このレンズ最大の特徴が可変絞りです。
ズームすると想像以上に早い段階で暗くなります。
- 100mm:F5.6
- 135mm:F6.3
- 180mm:F7.1
- 220mm以降:F8
つまり、望遠域を実際に使う場合は「実質F8レンズ」と考えた方がよいと説明しています。
野鳥撮影では高速シャッターを維持するためにISO1600〜3200程度まで上げる場面が多く、画質への影響は避けられません。
この暗さこそが最大の妥協点だとしています。
ボケ描写
開放F値は暗いものの、400mmという焦点距離を活かすことで背景は十分大きくぼかせます。
実写では
- 玉ボケはきれい
- オニオンリングがほとんど見られない
- ソープバブル状の輪郭もわずか
- 前後ボケも自然
となっており、価格を考えるとボケ描写は非常に良好と評価しています。
近接性能
望遠ズームとしては近接撮影性能も予想以上に優秀でした。
400mm時には約0.5倍弱まで寄ることができ、撮影距離にも余裕があります。
花や昆虫なども十分撮影でき、被写体に影を落としにくい点もメリットとして挙げています。
専用マクロレンズではないものの、簡易マクロ用途にも十分使える性能だと評価しています。
解像性能
解像力については十分満足できるレベルとしています。
100mmでは開放から中央部の解像力は高く、絞っても大きな改善は見られません。
400mmでは
- 中央は60MPセンサーでも十分高解像
- 少し絞るとコントラストが改善
- 四隅はやや甘くなる
- 四隅は最後まで完全にはシャープにならない
という結果でした。
そのため重要な被写体は画面中央付近に配置するのが望ましいとしています。
サイズと価格を考えると十分優秀な画質だと結論付けています。
総評
最後にJordan氏は、このレンズは「価格」と「軽さ」を最優先するユーザーに向いているとまとめています。
比較対象として
- Sigma 100-400mmはより明るく高性能だが価格が高く重量も約2倍
- Tamron 150-500mmも画質は優秀だが大型で価格も高い
ことを挙げています。
そのため、このSonyレンズは「暗いF8相当のレンズ」であることを受け入れられるなら十分魅力的な選択肢になると評価しています。
一方で、野鳥やスポーツなど高速シャッターを必要とする撮影では、高ISOを使わざるを得ず、画質面では明るいレンズとの差がはっきり現れるとも指摘しています。
最終的な評価としては、「携帯性を重視する人にとっては非常に良い選択肢」であり、暗い開放F値というトレードオフを理解した上であれば、価格・軽量性・AF性能・画質のバランスが取れた望遠ズームであると締めくくっています。