CineWire Newsはミラーレスカメラ / シネマカメラ / 交換レンズ / ドローン / ジンバルなどの映像制作機材に関する海外レビュー / リーク情報 / 最新ニュースをわかりやすく紹介する専門メディアです

REDの圧縮RAWビデオ特許が日本の知的財産高等裁判所で無効化判決が確定

REDの圧縮RAWビデオ特許が日本の知的財産高等裁判所で無効化判決が確定

日本の知的財産高等裁判所が、REDが保有する高解像度カメラにおける圧縮RAW動画記録に関する主要な特許の無効化を支持する判決を下しました。この特許は米国で2008年に出願されたものです。

今回の判決は、パナソニックによる異議申し立てに端を発しています。REDを2024年に買収したニコンは、この訴訟手続きに承継人として参加し、特許の防御を試みましたが、知的財産高等裁判所はその試みを認めませんでした。

REDはこれまで、「REDCODE」として知られる技術を中心とした圧縮RAW特許を積極的に主張し、業界の内部RAW動画の記録方法に大きな影響を与えてきました。今回の判決は、日本において長年存在した特許障壁の一つを取り除くものとなる可能性があります。

この記事のポイント

  • 日本の知的財産高等裁判所がREDの圧縮RAW動画記録に関する主要特許の無効化を支持しました。
  • この決定は、パナソニックの異議申し立てが認められ、REDを買収したニコンの特許防御の試みが却下された結果です。
  • 裁判所は、当該特許の請求項の多くが、当時の先行技術や当業者にとって自明であると判断しました。
  • REDの特許は過去、業界の内部RAW動画記録の方向性に影響を与え、競合他社はさまざまな対応を迫られてきました。
  • 今回の判決は、日本における圧縮RAW動画技術開発の特許障壁の一つが取り除かれることを意味します。
目次

REDの主要特許、日本で無効化される

日本の知的財産高等裁判所は、高解像度カメラでの圧縮RAWセンサーデータ記録に関するREDの重要特許の無効化を支持しました。これは、日本特許庁が無効と判断した決定を維持するものです。この特許は2008年に米国で最初に出願されました。

裁判所は、この特許の多くの請求項が、当時の先行技術や技術分野の専門家にとって自明であるとの見解を示しました。この異議申し立てはパナソニックから提起されたものです。REDを2024年に買収したニコンは、この手続きに承継人として加わり、特許の有効性を主張して防御を試みましたが、知的財産高等裁判所はその試みを退けました。これにより、当該特許が無効であることが確定しました。

圧縮RAW動画特許と業界への影響

REDは長年にわたり、「REDCODE」技術を中心とした圧縮RAW特許を積極的に主張してきました。これには、内部RAW動画記録に対する業界のアプローチを形成するような差止要求やライセンス要求も含まれていました。競合するカメラメーカーは、この特許のために困難に直面したり、部分的なデモザイク処理、外部レコーダー、あるいは代替コーデックを使用するなど、回避策を選択したりする状況がありました。

現在、Canon、Panasonic、Sony、Blackmagic Designなど、多くのカメラメーカーがすでに内部RAW動画記録オプションを提供しています。今回の判決は、日本において長らく存在していた特許上の障壁の一つを取り除くとともに、公式な無効判決として公記録に追加されることになります。

これまでの特許関連の経緯

  • 2013年2月:REDはSonyに対し、SonyのデジタルシネマカメラF65、F55、F5がREDの動画圧縮およびRAW動画特許を侵害しているとして特許侵害訴訟を提起しました。
  • 2019年:AppleによるREDの圧縮RAW動画特許に対する法的挑戦は却下され、REDの特許は維持されました。
  • 2022年:REDはニコンに対し、Z9の内部圧縮RAWについて訴訟を提起しました。ニコンは先行技術や自明性を理由に特許の有効性を争いましたが、後に両者は訴訟を取り下げました。
  • 2024年:ニコンはREDを買収し、REDはニコンの完全子会社となりました。

編集部コメント

今回の日本の知的財産高等裁判所の判決は、高解像度カメラにおける圧縮RAW動画記録技術の市場に大きな影響を与える可能性があります。長年、REDが主張してきた主要特許の無効化が確定したことで、特に日本国内において、これまで特許の制約を受けていたメーカーや開発者にとって、新たな技術開発や製品展開の自由度が高まることが期待されます。
多くのカメラメーカーがすでに内部RAW動画記録オプションを提供していますが、今回の判決により、さらなる競争の促進や技術革新が進む可能性も考えられます。今後のカメラ・映像機材市場において、圧縮RAW動画技術の動向、そして各メーカーの戦略に注目が集まることでしょう。ニコンがREDを買収した後の今回の判決は、同社の今後の事業戦略にも影響を与える可能性があります。

本記事は海外メディアで公開された情報を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。

参考記事:Japanese IP High Court upholds invalidation of RED’s key compressed RAW video patent

※掲載画像について
掲載画像はイメージです。実際の製品・仕様・デザインとは異なる場合があります。

カメラ・レンズ・ジンバル機材データベース

1,460点のカメラ・レンズ・ジンバルなど映像制作機材のスペックを比較できる機材データベース(スペック比較・検索)もあわせてご覧ください。

機材データベースを見る
  • URLをコピーしました!

BY CINEWIRE NEWS

CineWire News編集部
CineWire Newsは、国内外の映像制作機材(ミラーレスカメラ、シネマカメラ、交換レンズ、ドローン、ジンバルなど)に関する海外レビュー、リーク情報、公式発表を調査・編集し、映像制作の現場視点も交えながら、日本のクリエイターに向けて役立つ最新ニュースをわかりやすく発信する専門メディアです。

目次